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014 女たちの闘い

last update Terakhir Diperbarui: 2025-05-28 17:00:55

「やっと見つけた。直希あなたね、離れるなら声ぐらいかけなさいよね」

「ああ、悪い悪い。菜乃花ちゃんを探してたんだ……って、お前こそ菜乃花ちゃんをほったらかしにして。一緒に遊んでやれよ」

「あ、あの、直希さん、その……私のことはいいですから」

「……そうね、悪かったわ菜乃花。折角みんなで来てるんだから、一緒に遊ばないとね」

「そんな……つぐみさん、謝らないでください」

「いいんだよ菜乃花ちゃん。つぐみが素直に謝るなんて、そうそうないんだから。こういう時は受け入れてやって」

「何よ、人がちゃんと謝ってるのに」

「あおいちゃんは?」

「お腹が空きすぎて、もう動けないらしいわ」

「電池、もう切れちゃったのか。分かった。菜乃花ちゃん、ちょっと早いけどお昼にしようか」

「はい」

「それで? あおいちゃんはどこに」

「あれよ」

 つぐみが指差す方向を見ると、砂浜で倒れているあおいの姿が見えた。

「……流れ着いた遭難者みたいだな」

「さ、早く行きましょ。でないとあおい、食べ物につられて男たちに持って行かれるわよ」

「……だな」

 * * *

「ほらほらあおいちゃん、誰も取らないから、落ち着いて食べてね」

「はいです……むぐむぐ……」

「……やっぱ聞いてないよな」

 パラソルの下、4人での昼食タイム。

 海の家で、焼きそばの香ばしい匂いに心奪われたあおいは、捨てられた子猫のような顔で直希を見つめた。

「食べたいだけ、頼んでいいよ」

「本当ですか!」

「遠慮しなくていいからね」

「ありがとうございますです! おじさん、焼きそ

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